RET Japanについて

RET Japanは、世界各地の危機的で不安定な状況において、教育を通じて弱い立場にある若者を守り、彼らのレジリエンス(困難に立ち向かう力)を育てるための、日本の人道支援団体です。

Who We Are日本の人道支援団体

2015年、東京を拠点として設立された人道支援団体RET Japan。

私たちは、緒方貞子氏によって設立されスイスに拠点を置くRET Internationalの関連団体です。


2000年、緒方貞子氏が私たちの関連団体RET Internationalを設立した当時、緒方氏は国連難民高等弁務事務所(UNHCR)での2期目の任期を終えるところでした。緒方氏のRET設立に関するビジョンは、緒方氏がUNHCRのトップとして危機的環境にある若者たちに対する基本的な教育が欠けているという事実を目の当たりにし、この深刻な問題を解消することを目指してRETを設立しました。

そうした緒方氏のビジョンに基づいたRETの活動は世界各地で実を結び、成長を続けてきました。設立当初はシエラレオネ、タンザニア、パキスタンを中心に、その後は合計世界28か国にて活動を展開し、脆弱な若者たちまた女性たちの保護を目的に、多様なアプローチを開発してきました。

左から(敬称略)、RET International 会長 アンヌヴィレム・ヴァイレフェルト、RET International 創設者 緒方貞子、RET International CEO ゼイネップ・グンドゥズ、RET Japan 代表 赤崎元太

RETがこうした活動を15年以上に亘り続けるなかで、2015年、RETは日本との長年に亘る関係をよりオフィシャルなものに進化させ、世界各地の脆弱な立場にある若者たちを守るために、より具体的なアクションを提供していくことを目しています。

RET Japanはその最初の一歩であり、また、イノベーション・技術・そして組織力といった日本ならではの強みをRET Internationalの世界各地での経験と融合し、ともに世界の危機迫る問題に取り組むことを目的に誕生しました。

RET Japanは、フィールドでのプログラム、啓発活動、RET Internationalでのトレーニングや学びを通して、日本の市民の方々や人道支援・開発に携わる方々に、緒方氏のビジョンをさらに進化させ、紛争地域での困難な状況を緩和し、人道支援の場で主要な役割を担って活躍して頂ける機会を提供します。

これらは実に困難な挑戦ではありますが、私たちはすでに多くの心ある一般個人の皆様から、私たちのミッションへのご支援を頂いており、特に若い女性たちへの活動に対して長年に亘るご支援を頂いています。また、緒方貞子氏が卒業をされた聖心女子大学の学生たちによって設立されたSHRET (Sacred Heart for RET)は2003年より、RETのミッションと活動に賛同し、啓発活動を通じて強制移住を余儀なくされた若者たちの現状や、教育を通じた保護の必要性を訴えています。

私たちは、SHRETのこうした活動をRETユースアンバサダーとして位置づけ、今後も日本各地にて共に啓発活動を広げていきます。

  • 人道支援から開発への架け橋に複雑な問題に明解なソリューションを

  • プロテクション(保護)と開発を教育の力でRET Japanは、緊急支援にて教育を提供することで社会の一体性、レジリエンス、平和、そして発展への道を拓きます。

  • ポジティブな社会変化を、主役の若者から若者たちは、危機的な状況の中でも、ポジティブな役割を果たし、将来の自分たちのコミュニティを代表します。

What We Do教育の力で、脆弱な立場にいる若者たち、若い女性たちを守る。

RET Japanは世界各地の危機的かつ不安定な状況に置かれ、脆弱な立場にいる若者たちを教育の力で守り、彼らのレジリエンス(困難に立ち向かう力)をより確かなものにします。


人道支援団体として、私たちの仕事は人々を守ることです。そして特に私たちが他と異なる点は、特に若者たちを対象としている、そして教育というツールで彼らを守ろうとしている点です。

したがって、私たちは強制移住・暴力・武力紛争・災害によって脆弱な立場に置かれた若者たちが必要な教育が受けられる様、コミュニティを支援します。その中でも特に若い女性が直面する困難な状況に注意を払い、様々な場面で彼女たちへの支援に注力しています。

危機下において、ドナーの優先事項は多くの場合、生命の危機に関わる食料・水・シェルターそして子供の保護といった基本的なニーズであり、若者たちのニーズに対しては十分な予算が向けられてきませんでした。また、危機的状況は数年または数十年に亘って続く傾向があり、こうした若者への支援不足は極めて深刻な結果を招いてきました。2015年に発表されたUNHCRのグローバルトレンドでは、大多数の難民がこうした長期にわたる危機により平均して20年、もしくはそれ以上を避難生活のなかで過ごすであろうとの見通しを示しました。こうした期間、もし若者たちが何の教育の機会を得ることがなければ、彼ら彼女たちは極めて脆弱な状態に置かれたままとなり、非合法活動、ギャング、児童労働、薬物の密売、性的虐待、人身売買、暴力、といった危険にさらされます。教育は、若者たちにこうした脅威に立ち向かうスキルを与え、かつレジリエンスを養います。この様な状況において、教育こそが有効かつ持続的に若者を守ることができる仕組みなのです。

したがってRET Japanは、若者に対して救援と困難に立ち向かう力(Relief & Resilience)を、教育(Education)という手段を通じて、危機的状況からより安全で豊かな生活への移行期(Transition)に提供する団体という意味を持ち活動を行っています。

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女性のエンパワーメント

RETのプログラムは、主に若い女性たちにフォーカスを当てています。その背景には、脆弱な若い女性や母親たちの問題に取り組むことが、差し迫ったにニーズに対応するだけでなく、より大きなインパクトと効果を得られると確信しているからです。若い女性や母親たちは、危機的状況下において特に最も脆弱な存在でありながら、家族を率い、子供や若者、そして家族全体の生活に関して極めて重要な役割を担っていることも多いのです。

ジェンダーは依然として人々の機会や成長に大きな影響を与えています。社会的、経済的、文化的な発展はそれぞれの社会において異なるジェンダーの役割を生み出してきましたが、多くの場合は男性に優位な状況をもたらし、女性がないがしろにされるということが起きています。こうしたギャップは、脆弱な状況下ではより深刻なものとなり、危機の中では男性性や女性性がより顕著なものとなることが様々な事例で示されています。また、コミュニティの中で暴力が広まる際には、ジェンダーに基づく暴力(Gender-Based Violence)が急速に増大します。武器としてのレイプや児童結婚は最も知られる残酷な事例です。

したがって、若い女性たち、母親、母子家庭の女性たち、また女性の未亡人にフォーカスをすることは、もっとも差し迫ったニーズに対応するという点で極めて重要なことなのです。しかし、女性にフォーカスする理由は、彼女たちが脆弱な状況にいるからというだけではなく、私たちの支援がより大きくまた効率的なインパクトを生むことにつながるからなのです。若い女性たちをターゲットにすることは、彼女たちの多くが家族の中心的役割にあること、子供たちの教育に影響を及ぼすこと、家族の健康、世帯や所得の管理といった重要な役割を果たすことから、極めて重要なインパクトをもたらします。女性たちがより教育を受けることで、子供たちや家族にとってよりよい機会が生まれることにつながります。したがって、教育を通して女性を保護するという活動による投資のリターンは、極めて高いものと言うことができます。

人道支援から開発への架け橋に

Bridge

危機的状況というのは数年、あるいは数十年続くこともあります。よって、いつの時点で危機が終わり、人道支援からよりよい生活の為の開発段階に移ることができるのかを決め、またその移行期に求められるニーズに対応することはとても難しいことなのです。

こうして同じ人材や手段を両方の場面で活用することにより、国際機関・政府・地域コミュニティによって提供される二つの異なるタイプの支援(危機、開発)のそれぞれのノウハウや方法論のギャップを埋めることができるのです。

私たちは、これこそがRET Japanが果たすべき役割だと考えています。

RETが若者たちを重視して活動することには重要な意味があります。というのも、若者たちは危機的な状況において、彼ら・彼女たちのコミュニティにおいてすでに重要な役割を果たしているとともに、自分たちのコミュニティの未来担う存在でもあります。したがって若者たちは、現在そして未来に対して、そのほかの子供や年配の人々といった世代とは異なる、重要な役割を果たしているのです。

RETが果たすべき役割で次に特徴的なことは、危機的な状況や緊急下において、教育をプロテクション(保護)のツールとして使うことにあります。教育を、危機的状況の初期段階で使うことにより、RETはプロテクション(保護)を提供するだけでなく、将来そのコミュニティにもたらされる教育支援の基礎を築きます。教育が広く国際社会において、長期的な発展にとって最も重要なツールの1つとして知られているように、教育を保護のツールとして用いることは重要な鍵となります。RETでは、教育の力で若者を守り、またコミュニティのレジリエンスを強化することで、その後実施される開発政策がより効果を持つために必要な条件を整えます。

したがってRETは、危険にさらされた人々の中でも極めて重要な役割を担うアクター(若者たち)のために活動を行い、彼らの生活を守るために欠かせないツール(教育)を提供します。このことが、人道支援と開発支援の間をスムーズに橋渡しするのに有効な戦略なのです。

私たちのアプローチ

安定した状況において、学校教育は一般的にメインとなる教育の柱であり、教育と聞いて一番に頭に浮かぶものです。しかしながら、緊急下において、学校教育のシステムというのは機能不全、もしくは完全にその形が消えています。膨大な数の人々が強制移住を余儀なくされるとき、ホスト国の政府はその教育システムにそのまま難民を受けいれない、またはそうした難民を受け入れるだけの十分な教育インフラが整っていないことがままあります。こうした状況では、若者たちの具体的で差し迫ったニーズに対応するために様々なタイプのアプローチが必要となります。したがって私たちは教育というものをより広い意味で捉えているのです。

RET Japanは、RET Internationalの過去15年に亘り世界の脆弱な状況において使用し、改良を重ねたGlobal Toolboxの教育アプローチを採用し、活動を行います。

若者たちが危機的な状況に対処することを支えるためのアプローチ

心理社会的サポート

心理社会的サポートは、若者たちが経験をしたトラウマに対処することを目的とします。個別のセラピーやグループサポートを通じてまずこういった若者たちの心理的状態に対応しなければ、彼らは不安定な環境に因るリスクに対処したり、自分たちを守るスキルを身につけたりすることができなくなってしまいます。

ライフスキル

ライフスキルとは、若者たちが日常生活上の困難や必要性に対して、効果的に対応することを可能とするアダプティブかつポジティブな行動に欠かせない能力です。RETでは、保健・ジェンダーに基づく暴力・地雷に対する啓発といった、基礎的な命を守るためのトレーニングを指します。

質の高い学校教育環境を維持するためのアプローチ

学校教育

RETでは、国の公式なカリキュラムに基づく学校運営、または政府認定もしくは政府運営の学校へのアクセスをサポートすることで、学校教育を提供します。また、戦闘に参加しもしくは紛争からの避難で教育の機会を逃した若者たちへ、通常のカリキュラムより短期で学習できる教育プログラムを提供します。RETではまた、高等教育へのスカラシッププログラムも運営しています。

ノンフォーマル教育

RETが提供するノンフォーマル教育は、文字の読み書きや計算といった基礎的な学習スキル、若者たちが故郷の学校制度に再適応するためのキャッチアップコース、また語学コースをカバーします。移住を余儀なくされた若者たちにとって、ホスト国の言葉を学ぶことは、現地の教育システムやコミュニティに溶け込む上で必要不可欠です。たとえこうしたコースが国の公式なカリキュラムの一部ではなくても、RETは。地元政府や国際機関に働きかけをし、これらのコースが国の基準、もしくはユネスコやINEEネットワークといった機関の基準を満たす、もしくはホスト国政府または母国の教育省によって認定を受けることを常に行います。

キャパシティービルディング

危機的な状況下にある地元の教育機関のキャパシティを強化することは、間接的ではありますが、脆弱な若者たちへの意味ある教育の機会を確かなものとする極めて効果的なアプローチであり、またホストコミュニティの子供や若者たちの教育環境の改善にもつながります。RETでは、地元学校の行政事務改善、地元教師のトレーニングまた専門性の向上、災害リスク削減の教育プログラムへの導入、また安全かつ安心した学習環境を提供するための学校建設・改修、備品の整備を行っています。

 

若者たちが自分たちのコミュニティを安定と開発に向けリードすることをサポートするアプローチ

生活支援と雇用機会

若者たちが自立を果たすために必要なスキルとは、危機下においてそうした若者たちに対してより安全かつ安定した状況をもたらすスキルを意味します。雇用のニーズがあるという環境では、RETは職業訓練を提供し、地元にすでに存在するビジネスにマッチした職業見習い訓練へサポートも行っています。RETの起業家トレーニングでは、すでに自分たちのビジネスを立ち上げたことのある若者たちがさらにそのビジネスを発展させることを目指します。また、ゼロからスタートをする人たちには、小規模ビジネスのためのトレーニングを提供し、総合的な戦略を持って自らのビジネスを立ち上げるサポートを行います。そして、コンピュータースキルや事務スキルといった特に仕事場にて欠かすことのできない技術トレーニングを提供することで、すでに中等教育を受けた職を希望とする若者たちをその道へとサポートします。

若者たちのエンパワーメント

教育を受けた若者たちが、自分たちのコミュニティを危機的な状況から抜け出すことをリードし、より強固な社会基盤・平和・発展へと向けることをRETは追い求めています。若者たちがそうしたポジティブな社会変化のアクターとなるサポートのために、RETは責任ある市民、若者たちと大人のパートナーシップ、様々な権利に対する意識向上(子供の権利、女性の権利、難民の権利)といった教育トレーニングコースを開発してきました。これら全てのコースは、若者たちに自分たちのコミュニティに参画する上で特に重要な事柄を教えます。リーダーシップトレーニングもまた、若者たちが自分たちが主導するコミュニティに根差したプロジェクトの開発、または地域に密着した若者のグループやアソシエーションの運営を可能にするうえで、重要なトレーニングとなります。

  • RETユースアンバサダー:日本と人道支援の現場の架け橋に不安定な状況に置かれた脆弱な若者たちの現状を、日本の若者と共に伝える

  • コミュニティが危機的状況を克服するための支援生命に関わるニーズから、緊急人道支援から開発へと向かうためのスキルを若者に届ける

  • 幅広い役割を持つ教育RETの教育とは、学校教育のみならず、あらゆる可能性に教育の役割を見出します

Where We Work日本、スイス、トルコ、レバノン、チャド、そしてその先へ

RET Japanは日本に限らず、アフリカ、ヨーロッパ、そして中東にて、アドボカシー活動、現地でのオペレーションを通じてRET Internationalのアプローチをさらに深化させ、幅広い地域でそのプレゼンスを広げています。


日本

RET Japanは、日本におけるアドボカシー活動にてRETの創設者である緒方貞子氏が卒業をされた聖心女子大学の学生たちとこれまで連携をしてきました。

アドボカシー活動の一環として、RET Japanはこれまで北海道・東京・静岡・兵庫にある聖心女子大学関連の高校を訪問しています。これらのアドボカシー活動を通じて、私たちは若者たちと共に歩むことの重要さ、私たちが現場でどのようにオペレーションを行うか等を広く紹介をしてきました。そうすることで、RET JapanはRET Internationalの世界各地での経験を日本の若者たちと共有し、また動機づけを行うことで、いつの日か、若者たちが人道支援の分野でますます求められる日本の役割と専門性を届けるための、主役となることをサポートしています。

そうしたなか、2016年7月に私たちは聖心女子大学とのパートナーシップをオフィシャルな新たな形へと発展させ、世界における強制移住、暴力、武力紛争、そして災害によって脆弱な状況下にある若者たちの教育に対するニーズを満たすため、そうした海外のコミュニティを共に支援していくことに同意しました。

スイス

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スイスのジュネーブは、世界の人道支援都市として知られる街の1つです。国連難民高等弁務事務所や国連人道問題調整事務所といった多くの国連機関、国際赤十字連盟、そして多くの国際人道支援NGOが、本部をジュネーブに置いています。RET Internationalも、そのジュネーブを2000年設立時より本部拠点とし、これまで世界3大陸28か国でのオペレーションを指揮し、1,000,000人を超える学習者を現在700名を超えるメンバーとともにサポートしてきました。RET Japanは、ここRET International本部にもオフィスを構えています。

2015年2月、聖心女子大学より仲居浩二教授(当時)・永田佳之教授、10人のSHRETメンバがRET Internationalのジュネーブ本部を訪問し、脆弱な状況におかれた若者たちの保護に関するトレーニングを受けられました。このRET Internationalのスタッフによるトレーニングは、学生の方々がRETユースアンバサダーとしてより効果的なアドボカシー活動ができるようにと準備されました。そしてその後、10名のうち5名のRETユースアンバサダーが、RETJapanとRETInternational CEO、そしてRET Japan 代表と共に、2015年3月14日から18日まで宮崎県仙台市にて開催された国連防災世界会議に参加をしました。

また、Japanにとってジュネーブの様々な国際会議にアクセスできることは重要な意味を持ちます。RET Internationalのジュネーブ本部にあるRET Japanのオフィスは、そのような機会に対応することが可能です。また、RET Internationalのジュネーブ本部にて、RET JapanスタッフはRETの緊急下における教育に関する方法論、またそれに続く現地での実践は、その後のノウハウのシェアをスムーズにします。これらの本部や現地でのハンズオントレーニングはRET Japanスタッフが今後のプロジェクトでRETのマンデートを広め、また15年以上にわたり発展をさせてきた各種メソッドをより進化させることを可能にします。

トルコ

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シリアとの国境を約900㎞持つトルコは、シリア危機の大きな影響を受けています。現在まで、およそ300万人のシリア難民がトルコにおり、そのうち270万人が関係当局に登録をし、トルコは歴史上においても最大の難民受け入れ国(ホスト国)となりました。トルコ政府の国内25のキャンプをもってしてもシリア難民全人口の10%のみしか収容出来ておらず、その他の大多数は、都市やその郊外で生活をしています。こうした脆弱な環境に置かれた難民の若者たちは、言葉の壁により教育の機会へアクセスすることが出来ません。また、特に若い女性はより深刻なリスクにさらされることとなり、ジェンダーに基づく暴力は増加しています。RET Internationalは、トルコ南東部のこうした若者や子供を含む女性たちのニーズに重点的に取り組んでいます。

RET Internationalはそのトルコにて2013年より大規模なプログラムを展開しており、RET JapanはRET Internationalと共にトルコ南東部のシヴェレク(シャンリウルファ)にて、2015年11月から2016年3月までプロジェクトを行っていました。RETは、日本政府と民間セクターの連携(日本の非営利団体)より拠出を受け、それまで支援がほとんど行き届いてないシヴェレクの脆弱なシリア人女性及びトルコ人女性を対象に、非食料物資(衛生管理用品)の配布、女性が安心して過ごすことのできる環境の整備(地元政府によって運営されている女性文化センター)、そして女性たちの平和的なコミュニケーション能力向上に関するプロジェクトを運営しました。

私たちのプログラムに参加をした多くの人々が述べるように、トルコ人とシリア人コミュニティの緊張は、双方間のコミュニケーションや交流の欠如を原因に高まる傾向にあります。さらに、言語の壁により、多くのシリア人女性は子供たちと家にこもりきりとなり、結果として外の社会やホストコミュニティとの関りから距離を置くこととなってしまいます。こうした社会的孤立は、これら女性たちが他者と触れ合う機会から著しく遠ざけることにより、極めて脆弱な状態にします。強制的な移住によってもたらされる多くのこうしたリスクは、ホストコミュニティとの交流を通じて地元の政府から支援がどこで、どのように受けられるのかを知ることによって緩和されます。

プロジェクトを通して、このように、私たちはトルコ人とシリア人コミュニティをつなげる媒体として、社会的一体性を高める重要な役割を果たしました。

シヴェレクのプロジェクトに加え、トルコ国内で最もシリア難民を受け入れている街の1つであるガジアンテップでは、在トルコ日本大使館の支援により、シリア人の子供や若者たちをトルコ語学習のクラスに参加してもらうことを目的に、使われなくなった建物を改修しています。こうしたプロジェクトを通してもRETJapanのスタッフはRET Internationalのアプローチを習得し、今後RET Japanがさらに、脆弱な若者たちを教育を通して保護するという緒方貞子氏のビジョンを広める、その重要なアクターとなることを可能にします。

レバノン

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隣国シリアで起きた人道危機は、数十年に亘る宗派間の緊張と混乱といった複雑な状況を抱えるレバノンに、新たな難題をもたらします。レバノンはこれまで約110万人以上のシリア難民を受け入れ、その数は全国民の約20%を占めており、そのうち50%以上が18歳未満です。このことは、レバノン政府にとっては、国内の限られたリソースを自国民とシリア難民の両方に配分することを意味するため、大きな課題となっています。こうした状況の中で若者たちは、日々の困難とそして不安定な状況から暴力というリスクに直面しています。

こうした背景のもと、若者たちは学校教育や労働市場へのアクセスがないために、武力組織へのリクルートメントやその他の有害な行動へと駆り立てられる傾向にあります。さらに、国連によると、レバノンのシリア人女性たちは、特に同居するホストコミュニティ家族からのジェンダーに基づく暴力や、児童結婚の対象になりやすいとの報告がなされています。

2015年から2016年まで、在レバノン日本大使館の支援により、RET Liban (レバノンに設立をされたRET Internationalの関連団体)は女子学校の改修プロジェクトをレバノン北部のトリポリで運営しました。これにより、シリア難民またホストコミュニティから600人の女子たちを中等教育へと迎えることができました。RET Japanも引き続きRET Libanと連携をし同様なプロジェクトを運営していきます。

チャド

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チャド東部に近いダルフール、そして南部に近い中央アフリカ共和国での紛争は何十万にもの難民を生み出しました。チャドは、2004年以降、37万7480人以上にものぼるスーダン難民をダルフールから、そして2015年以降これまでさらに10万人の難民を中央アフリカ共和国より、特に南部を中心に受け入れています。全体の25%以上の人口が若者であり、そのうちの5.5%のみしか中等教育を受けることができていません。RET Internationalは、こうした若者たちにフォーマルそしてノンフォーマルの中等教育へのアクセスを難民キャンプにて提供しています。RET Internationalは、そのほかにも語学教育・ライフスキル・スカラシッププログラムを通じ、希望と教育、そして自分たちのコミュニティにおいて重要な役割を果たす機会を提供してきました。

RET JapanとRET Internationalのコラボレーションの一つとして、RET JapanスタッフはチャドにあるRETのプロジェクトへと、難民が日々目の当たりにする問題を現場で理解をするために派遣されました。また、チャドのRET National Coordinatorと共にプロジェクトに携わることでプロジェクトマネジメントの経験をさらに重ねました。これにより、RET Japanのキャパシティはさらに強化され、RET Internationalは、教育を通して脆弱な若者や女性たちを保護する、というミッションを新たな力強いパートナーと共に追求します。

RET Japan は、このように、RET Internationalが生み出したメソッドを武器に、日本から人道支援を届ける重要な役割を担うアクターとして位置づけられています。私たち、RET Japanは、今後もその他の緊急下にありかつ不安定な国々にて、教育を通じて脆弱な若者たちを教育の力で守り、また彼らのレジリエンス(困難に立ち向かう力)を確かりと育てます。